今回は県内のサービスエリアで見つけた、珍しいおそばをご紹介します。
わさびそば
梓川SAで面白そうなそばを発見!
松本方面に取材に行った帰り、なんとなく立ち寄った梓川サービスエリア(下り線)で面白いおそばを見つけました。
それがこちら「わさびそば」です。
そばにわさび粉が練りこまれており、商品説明によると「爽やかな色合いと味覚をお手軽にご賞味いただけます」とのこと。
そばがうっすらと緑色をしているのがわかるでしょうか。(緑色はわさび粉ではなくクチナシ色素によるもの)
半生そばが三人前とそばつゆも付いて、価格は税込756円。面白そうだなと思い、買ってみました。
というわけで早速食べてみることに。
ゆで時間は半生そばなので2〜3分。ゆで方は普通のそばと変わりません。
ゆで終わったものがこちら。そばについていた粉が落ちて、鮮やかな緑色になりました。
ザルに乗せるとかなり違和感がありますね……ずっと見ていると脳が混乱しそうです。
ちなみにゆで汁(そば湯)も白ではなく緑色でした。
食べてみた感想
あれ…?
全然辛くない……
柿の種のわさび味のような辛さを想像していましたが、辛味はほとんどないです。お子様でも安心して食べることができます。
わさび粉が練りこまれているからといって、わさび味の辛いそばになるわけじゃないんですね。
よく見たらパッケージ裏に「わさびを添えてご賞味ください」と書いてありました。
わさびの味はしませんが、わさびの香りはちゃんとあります。
食べるたびにわさびがほのかに香り、もともとさっぱりとした食べ物であるそばが、さらにさっぱりと。
なんというか清涼感溢れる美味しさという感じです。これは夏にピッタリなおそばかも。
ちなみに付属のつゆは甘めのつゆでした。これも十分美味しかったですが、しょっぱい系のつゆの方がよりさっぱりといただけるかもしれません。
まとめ
目と鼻で感じる清涼感!
暑い時期に食べたいさっぱりおそばでした。
調べた限り通販では売っていないようなので(類似商品はいくつかありました)、
興味のある方は長野県にお越しの際に買ってみてはいかがでしょうか。
長野はそばもわさびも有名なので、長野土産としてもオススメです。
おまけ:なぜそばにわさび?
そもそもなぜ、そばにわさびなのか?
たとえば寿司のわさびは、魚の生臭さを消したり、殺菌効果によって食中毒を防いだりという役割がありますが、
そばの薬味としてわさびが使われるのはなぜなのか? 何か理由があるのか? 気になったので調べてみました↓
江戸時代、そばが今のように麺として食べられるようになった頃、薬味は辛い大根おろしが最適とされており、わさびは大根がない場合の代替品でしかなかったそうです。
しかし、しばらくして鰹節を使った鰹だしのそばつゆが登場すると、そばの薬味事情は一変、
当時の鰹だしのそばつゆは、鰹節を使うことで旨味が増した反面、かなり生臭かったため、
その生臭さを消すためにわさびが薬味として使われるようになったそうです。
元を辿れば寿司と同じような理由なんですね。
もちろん現代では、生臭さを感じるようなそばつゆに出会うことは滅多にないですが、
消臭効果を抜きにしても、わさびが薬味としてそばに合うということで、いつの間にか「そばの薬味といえばわさび」と、定着したようです。
わさびは溶かす? 付ける?
わさびはそばつゆに溶かすのか、そばに直接付けるのかで、よく意見が割れます。そば通やそば職人の間では、そばやつゆの香りを楽しむため、そばに直接わさびを付ける食べ方が好まれており、多数派を占めています。
中には「わさびをつゆに溶かすのはマナー違反だ!」と言われる方もいますね。しかし、そばつゆの生臭さを消すためにわさびが使われるようになった背景から考えると、わさびはそばつゆに溶かすのが正解とも言えます。
最終的には好みの問題だと思うので、「各々好きなように食べて、他人には食べ方を強要しない」というのが一番平和なのではないでしょうか。
辛子を薬味に使う地域も
新潟県の一部の地域では、わさびが栽培できなかったため、わさびの代わりに辛子を薬味として使っていたそうです。
わさびが簡単に手に入るようになった現代でも、辛子の方がそばの風味を損なわない(わさびは匂いが強すぎてそばの風味が薄れる)ということで、辛子を使う人も多いそう。そばの薬味は奥が深いですね。